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県内外からたくさんのファミリーやカップル、グループ連れの人たちが訪れ、街や、海に、にぎわいと笑顔があふれていた夏の下田。

カレンダーの暦が8月から9月へ変わり、下田の夏の最後を彩るお祭り・ビッグシャワーが2日間、晴天の中、終了。そして10月へ移るにつれて、街の雰囲気は少しずつやさしく穏やかになってきています。

街のショップには、オレンジ色のカボチャや黒い猫、かわいげのあるオバケたちが溢れかえるようになってきました。彼らたちはそのうち、赤のプレゼント箱や緑の木々のデコレーションへと変わり、かと思うと、まもなく頭にみかんの乗っかったお餅や門松などに変身を遂げていきます。

「もう2017年も終わりに近づいているのね」

そんなちょっぴりおセンチなことを頭の片隅の端っこで思いつつ、今回の下僕では、夏の終わりから初秋の伊豆・下田で、自分が自然と触れ合ったことについて綴っていきます。

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最初は、ちょっと自分語りからはじめます。

自分が、東京から下田に移住してきたのは2016年2月。それまではほぼほぼ東京で40数年過ごしていた典型的都市生活者、つまりシティボーイでした(と、言い切ってみる)。

中学生のころまでは、野球やサッカーでグラウンドを駆け回ったり、サイクリングで房総半島を一周してみたり、とアウトドアな一面ものぞかせていた自分。ですが、その後、高校に入って、いわゆるイギリスやアメリカのロックミュージックに出会ってからはどちらかというとインドア志向 / 思考へと切り替わっていきます。

「体を動かして、万一怪我すると仕事ができなくなって、収入が減ってしまう(=CDやレコードが買えなくなってしまう!)」

20代の頃は、仕事で毎日、体をそれなりに動かしていたこともあって、プライベートで体をわざわざ動かさなくても健康を維持できていました。仕事が終わってからは、買いまくっていた80年〜90年代の洋楽や、渋谷系と呼ばれる日本のポップミュージックのレコードやCDを、渋谷や新宿・高円寺や下北沢など街中に持ち歩いて、オールナイトで夜な夜なDJイベントを開催したりしていました。

30代になり、不動産会社系列の営業・現場管理の仕事に就いてからは着々と運動不足が蓄積されつつも、引き続き、週末のDJライフは続けていました。ただ、この頃からでしょうか。東京でも郊外エリアへ転居を重ねたことや、プチダイエット・健康維持といった視点から、軽いジョグや低山ハイクへの関心も深まってきていました。

ただ、永年を経てのアウトドア志向の復活は果たされても、いわゆるサーフィンやダイビングといったマリンスポーツに関しては、まわりにそういった趣味の知人もおらず、また、最初にかかる初期費用のことや「俺、まちがいなく怪我しそうだよなあ」なんて怯え根性も重なり、敷居が高い状態が続いていました。

そんな中、40代に突入。下田生まれの妻と知り合って結婚をし、娘の出産や勤めていた会社の退職も重なり、伊豆・下田への移住が決まりました。その際、移り住むにあたっては、自分のココロの中で、短・中・長期的な計画…、否、野望を設定してみたりもしました。

中・長期的な点では、住まいや仕事のことが主でしたが、短期的な我がココロの野望としては、なかなか接点がなかったマリンスポーツに挑戦する、というのを掲げてみました。なんといっても、海の街・下田に移住するわけですからね。

ただ、移住初年度は入社した職場の勤務状況や、生まれてまもない娘の子育てを重ね合わせると、夏にマリンスポーツにトライするタイミングには残念ながら出会えませんでした。なかなか人生、そう思い通りには進まないものなのです。

2017年、春。同職種の別の会社へ転職をし、自分の時間の確保が昨年よりはできるようになりました。因みにそのタイミングで、この伊豆下田100景での連載もスタートしております。

で、ここからが今回の本題。

下田に移住してから「いつか機会があったら何かアウトドアなことをやりたい」と思いながら、インターネットであれこれチェックしていく中で、気になるイベントサイトがありました。それが、”週末アドベンチャートリップ”。

最初に自分が気になったのは、マウンテンバイクでの山伏トレイルツアーや、今井浜でのフライングスクール。「これはホントに楽しそうだわー」なんて思いながらfacebookを見てみると、おやおや。ワクワク気分をさらに煽る体験企画が立ち上がっています。しかも、かなりリーズブルなお値段!

そういったわけで、定期的にこのサイトのチェックをし続けて、面白そうな企画と自分の仕事やプライベートとの折り合いを図っていたわけですが、ついにこの9月!

西伊豆・雲見でのダイビング体験の企画が!

海に潜るなら9月は絶好、という情報も得ていたので、速攻で申し込み。無事に参加OKの連絡をいただけました。

さて、当日。

下田駅7:15発のバスに乗って、まずは松崎まで。約1時間、バスの旅。途中、通り過ぎた”バサラ峠”という名前が気になってインターネットでチェックしたりすると、もう松崎。着いたら、速攻でタクシーを手配し、雲見まで移動。参考までに記しておくと、下田 – 松崎間のバス料金は1270円。そして、松崎から雲見まではタクシーで約13分、乗車代は3320円。

この日の参加者の方々と、ダイビングの講師さん(iDiveさん)・アドベンチャートリップ担当さんと挨拶をしたら、さっそく体験企画スタート。

まずは、耳抜き・水中マスクに空気が入った際の空気の抜き方、レギュレーターのマウスピースのくわえ方についてのレクチャー。ユーモアを交えつつの講師さんの分かりやすいトークにとにかく一安心。内容を把握しきれない状態で、海の中に潜るのは怖いですからね。

その後は、一人ずつマンツーマンでのダイビング体験開始。この日、合計4名が参加していたのですが、自分は二番手で潜ることに。

最初の参加者の方の体験ダイビングが終わった後、実際に講師さんが撮った動画をもとに今日の海の状態についてのお話を聞く。最初の方、難なく余裕を持って体験されていたようで、逆に「自分もしくじれない…」と、ちょっとプレッシャーじみたものを感じる自分。とにかく肝が小さい男ですが、「とても楽しかった。あっという間に終わったよ」という言葉に励まされ、いそいそと海に潜る用意を始めます。

 

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レクチャー終了後、ダイビングスーツをまとい、タンクを背負って、いざ船へと移動。今回潜るポイントまでは約5分。マスクにくもり止めを塗り、顔に装着していると、あっという間に到着。

 

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さて、ダイビング講師さんに手を取られ、海の中へ(フォトは一緒に参加された女性の方のものを使用しています)。この海の中に入る瞬間が何ともたまらない一瞬です。この日は晴天で、風もなく海も穏やかな絶好のダイビング日和だったので、変な恐怖心はほとんどありません。

 

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海の中にはちょうど30分潜っていたのですが、体感的には長いような短いような不思議なひとときでした。最初の5分は体のバランス取りに慣れるのに費やした模様。ちょっと気を抜くとすぐ体が浮いてしまうので、バランスを取りなおすのがなかなか難しい。

 

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その後は講師さんに誘導されながら、徐々に海の下へ。結果、水深10m地点まで潜って、蒼い海の世界をとにかく満喫。テレビや動画では何度も見たことのある世界ではあるのだけれど、さまざまな魚たちや貝類などを実際に潜りながらみてみると、その臨場感に対しての感動のレベルが違います。

 

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いやあ、とにかくキレイでとにかく楽しい! 無数の魚の群れに遭遇して目の当たりにしたときの気持ちは、言葉にするのがホント難しい!

潜っているときの意識としては、呼吸(口を「う」と言うときの状態のままマウスピースをくわえながら、口で吐いて口で吸うので慣れるまでは違和感がある)と体のバランス取りで4割ぐらい取られていたので、その点が慣れてもっと余裕を持って海の世界を見渡せたら、さらに楽しさが広がるだろうなあ、と言うのが正直な感想。

 

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あとは、海中撮影にハマったら、これは相当に奥深そう。ダイビング、そして海の中での撮影に魅了される方々の気持ちの欠片ぐらいは感じ取れた気がした貴重なひとときでした。

さて。

人生初のダイビング体験を終え、その余韻から覚めぬ中、一週間が過ぎた頃。自宅から徒歩数分とすぐ近くにある、とある建物の中に大量の竹が搬入されていました。

 

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ここは、10月27日・28日に下田市のまちなかエリアで開催されるイベント「竹楽しみまくる下田2017」の準備会場だったのでした。

 

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「竹たのしみまくる下田2017」は、穴を空けた多数の竹の中に灯りを入れ、その竹灯りで下田の街をあかるく灯し照らすのが趣旨のイベント。その竹の調達から加工のほとんどの工程はボランティアスタッフにより用意されます。

すでに妻が一度経験していたこともあり(そして妻がもう一度やりたいというので)、”穴あけまくり”初日である10/6に一緒にさっそく同行して、竹の穴あけにトライしてきました。

 

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工程としては以下の通り。作業自体は非常に簡単。

1.竹にテープで型紙を固定する

2.型紙に書かれているサイズのドリルで穴を空ける

この日はすでに予定サイズに切断されている竹がたくさんあったので、数種ある型紙を指定の竹に貼り、その型紙の指定通りにドリルで穴あけをする作業を行いました。

小さい穴は、スイスイ快適に穴を空けられるので、作業していてとても気分がいいです。ウィーン、ウィーンと、特に力も入らないので女性でも問題なし。

一番大きいサイズの穴あけは、若干力がいるのと、ひとつの穴を空けるのに時間がややかかるので腕などに少々負担がかかるかも。因みに妻は2日後に腰にきた、とにやにや語っておりました。

型紙貼りから、穴あけまで竹1本の作業が終わるのに大体50分〜1時間くらい。通りすがりの方々が立ち止まって話しかけてくれたりもするので、あっという間に時間が過ぎていきます。みなさん、興味津々のご様子。

 

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一本の竹の作業が終わった状態。あとはこの加工が済んだ竹たちを所定の場所に並べてイベント当日に灯りを入れると、この竹たちが日の目をみるわけです。

小さい頃は、父親が木材加工の仕事をしていたこともあって、木を切ったり削ったりして遊んだことはありましたが、竹に穴あけをしたことは今まで一度もなかったので、これまた自然と触れ合える貴重で楽しい経験ができました。自分が手がけた竹が実際にイベントで並んで灯りをともしている、と考えるとイベント自体への思い入れも断然変わってきますよね。

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下田に移住してきた当初、多くの地元の人から「よくこんな何もない場所に越してきたね」なんてコトバをもらったりしましたが、どうしてどうして。

移住してから1年半以上が経ちましたが、東京では体験できなかったことをそれこそいくつも経験しながら、わくわくした日々を過ごさせていただいています。そして、まだ行っていない場所や、食べていないフードなどもたくさんあるのです。

東京などの大都市にいても、地方にいても、普段、生活する上での日常はそんなにドラマチックなことは続かないし、楽しいことばかりでもありません。そんな中で、なにが”わくわく”させてくれるのか、は、自分の身の回りのものをどういった視点で切り取れるか、感じ取れるか、にかかってくると思います。

2016年は”ほっこりしたくつろぎ”というニュアンスを表したデンマーク語の「Hygge(ヒュッゲ)」というコトバが欧米を中心に流行しましたが、2018年あたりは「IZUFORNIA(イズフォルニア)」なんてコトバが日本で本格的に流行していても全然おかしくないと思います。交通でも観光列車”伊豆クレイル”や”ロイヤルエクスプレス”などが走り始めて、状況は良い方向に進んでいる面も確かにあるのです。

それに、ほら!

下田の街中ではすでにこんなアティチュードを示すTシャツを着ている人たちが何人にも増えているんですよ。

 

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