気がつけば花の町、我が町下田  -花と観光の歴史- つづき

2012年 1月 5日

気がつけば花の町、我が町下田  -花と観光の歴史-  つづき

水仙まつり

前回は数人の下田の人間が「下田花いっぱい運動」を興したことを書きました。
それでは何故彼らは花にこだわったのでしょうか?

それは急激な資源利用で地球温暖化によりアフリカやアメリカでは干ばつが続き砂漠化が進み、北極の氷が溶け出しいずれ海抜はあがり陸地は沈む、それらを食い止めるために石油使用を減らし緑化事業を進めなければ!との想いがあったようです。

現代温暖化の恐怖に直面し盛んにエコが叫ばれておりますがにすでに彼らは叫んでいたんですね。
長い時間の中で心ない人たちの持ち去りや風化してしまったものもありますが市内のあちらこちらにその名残は今でもあります。

下田花暦と花の寺

aroe

12月が見頃のアロエの花

下田では四季折々の花を街中にあるお寺で楽しむことができます。下田で楽しめる花とお寺をご紹介します。

下田花暦

  • 1月 水仙・椿
  • 2月 梅・アカシア・雪柳・れんぎょう
  • 3月 桜・木蓮
  • 4月 つつじ・里桜・ふじ
  • 5月 山吹・ピラカンサス・ハギ
  • 6月 紫陽花・カンナ・ユリ・アメリカフヨウ
  • 7月 海紅豆(デイゴ)・はまぼう(ハイビスカス)・きんぽうじゅ(ブラッシュツリー)・サボテン
  • 8月 はまゆう・スカシユリ・立ちあおい
    椿

    下田公園に咲き誇る椿

  • 9月 まんじゅしゃげ(彼岸花)・百日紅
  • 10月 金木犀・いそぎく
  • 11月 つわぶき・サザンカ
  • 12月 アロエ・ハゼ

花の寺

街中に甘く香る了仙寺のアメリカンジャスミン

  • 福泉寺 百日紅
  • 稲田寺 紅白のしだれ梅
  • 海善寺 紫陽花
  • 宝福寺 椿
  • 八幡神社 さくら
  • 大安寺 しゅろ並木
  • 本覚寺 ふじ
  • 泰平寺 つつじ
  • 了仙寺 においばんまつり(アメリカジャスミン)
  • 長楽寺 裏山に桜

公有地の植樹以外にどこか植えるところを探したところお寺を思いつきお寺側との話し合いを進め協力していただいたそうです。このようにして下田のシーズンは夏だけだと言われていたものを四季型観光地にと花と観光を結び少しづつ実行していったようです。

稲生沢川沿いの桜並木、お吉ヶ淵の花壇やさくらなどもも彼ら「花いっぱい運動」の手によって始められたものです。きっかけをつくったのは彼らですがその後の手入れ、保存をご近所の方々が協力して下さり、続けてきてくれたからこそ今があります。
さらに同じ時期には白浜・板戸の青年たちがアロエの植樹運動を行い観光協会が賛同し今に至っております。

四季の花を大切に思うココロ

さざんか

秋に咲く美しい花 山茶花(さざんか)

今では毎年おなじみになり当たり前のように咲いている下田の花々。
それは先人たちの下田を想う気持ちと手入れをしている方がいるからこそ続いているんだと、改めて知らされました。

なにより当時はまだ「売るならともかく見せるだけの花なんかで飯が食えるか」なんて意見も多かったであろう時に爪木崎、下田公園に目をつけきっかけを創ってくれた、それが50年経った今も続いてることのすばらしさ。

時代は変わり新しいものがどんどん入ってきて便利でスピードを競うことが多くなった現代。
そんな時代だからこそ燃料や電気などでなく自然のままに動く風、海、動・植物に癒される。

水仙まつりを訪れる人々

水仙まつりを訪れる人々

手つかずの自然もいっぱい残り、そこに根付く生活があり季節の移り変わりを、時間の流れを、山で、海で、花で、自分の目と耳と肌でじかに感じられる場所「下田」。

それら自然の贈り物は疲れた心を癒してくれるパワーがあります。
忘れかけていた自然との共存を改めて再認識。

自然の偉大さは都会に住む方の方が敏感に感じ取るかもしれませんね。身近にありすぎて見過ごしてしまったり、気づかなかったり。
先人が残してくれた財産を途絶えることなく繋いでいくことの大切さをこのブログを綴りながら改めて考えさせられました。

温泉で温まり、花と自然を楽しみ心と体をリフレッシュ!

12月20日から水仙まつりが開催されています

水仙祭り

水仙祭り

20日のオープニングセレモニーでは水族館からペンギンたちが駆けつけてパレードをしてくれました。その他日曜日などは特別サービスもありますのでぜひお越しくださいませ。

今年は11月までが暖かかったせいか一部では例年より早い開花もあるようですが冷え込むと開花も一休みします。
例年並みの咲き具合だと言っておりました。

爪木崎の灯台

水仙祭りの会場のある爪木崎の灯台

個人的な意識なんでしょうけど下田は空が狭いです。
伊豆全体がそうなんですが平地が少なくそそり立つような山が目の前に迫っているため空が狭い?

海岸では♪海は広いな大きいな~なんですけど後ろはすぐに山、空は半分。
都会のビルの谷間からだってそれ以上に空なんて見えないわよ!贅沢!!って言われそうですが伊豆を出ると遠くに山が見え平野が続くいつも空が広いな~って思うんです。

そんな下田の中で爪木崎は小さな半島の先ということもありロープウェイなど山頂のを除き下田で数少ない空の広い場所です。(と、思うのは私だけかもしれません)

絵に描いたような青い海と青い空。
咲き乱れる白い花たち。
ポスターや写真になっているその景色をぜひ直接見に来てください。

特集 水仙祭り2011

 

この記事を書いた人

むさし

駅前の国道から一筋街中に入った商店街の中ほどでうどんやを営んでおります、お年寄りは「新田のうどんや」と呼びますがもちろんお蕎麦も打っております。下田に生まれ、途中関西方面を放浪してまた下田に帰ってきました(すべて昭和の時代のこと)引きこもりぎみな今日この頃、徘徊といわれない程度に街を探検してみたいと思案中。
他にもこんな記事を書いています。

コメント一覧

  1. 遠い昔になりましたが 子供達がまだ小さかったころ正月をご当地で過ごした事があります。正月はいつも何処かの温泉で 疲れた体を癒やすのが我が家のしきたりの様になっていますが 子供達も独立して家内との生活になってみると わが国の開眼を促したご当地の歴史に 再度触れてみたくなりました。
    世界の名だたる遺跡も沢山たずねて来ましたが 年を重ねるに付け わが国に回帰するような気分に誘われています。元気なうちに必ず訪問いたします。

  2. 心の中に人それぞれの、思い出の場所があるものなのですね。
    上原さまにとって私の故郷がその場所のひとつだと言うこと、嬉しく思います。
    吉田松陰が歩いた道、タウンゼントハリスが散歩した道、勝海舟、坂本龍馬・・下田はそれぞれにとって
    上原さまが感じるように、思い出の場所の1つだということを思いました。

    ぜひ、下田に流れている歴史に触れにお越し下さい。

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