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ランニング界隈から考える秀吉の行軍

羽柴秀吉が、織田信長の訃報を聞き、中国地方から京都に急遽引き返して明智光秀を討ったという有名な話は、秀吉の機転のなせる業だということは分かるのですが、それにしたって、200㎞以上ある距離を1週間ほどで行軍するなんてなかなかハードです。
ちなみに僕はランニングが趣味なのですが、1か月に200㎞も走ると、かなりやりこんだな、というイメージです。
僕のランニング仲間では褒められるくらいの距離です。
1日30㎞だからやれなくはないとは思うけれど、鎧や武器やら担いだり、道も悪かっただろうし、靴だって履いているわけないし、京都についた途端、今度は人殺しをしなけりゃならないなんて、うんざり、どころの話じゃなかったんだろうと思います。

それにお腹も空くだろうし、なにより2万人の軍勢です。
今の下田市民より多い人数が、一斉に高松から京都まで走ったんだからとんでもないエネルギーだったのでしょう。
下田市から200㎞程度というと、浜名湖あたりです。
まぁ、同じ県内とはいえ、下田市民が一斉に1週間で浜松まで歩くことになったと仮定した場合、どういう問題が生じますかね?
現実に自分の身に置き換えて考えると山ほど問題が出てきます。
食糧は?誰がそれを運ぶの?寝る場所は?
下田の民2万人が寝る場所を6か所も探さないといけないの?(6泊7日ですからね)
トイレは?途中で怪我したら?途中でやっぱり帰る、なんて言い出す人をどう説得する?
浜名湖へ行ったら美味しいウナギが食えるんだからがんばれ、といったってなかなかついてきてくれないかもしれない。

同じ静岡県内だとなんとなくやる気が起きないだろうから(浜名湖がダメとかそういうことでは決してない)、別の目的地で200㎞くらいのところはないかと適当に探してみたら、やる気が起きそうな場所がありましたよ。

ディズニーランド。
しかも調べる限り189㎞。10㎞も短い。
これならやれるかもしれない。 ・・・・・

夢の国が待っているのなら、がんばれるかもしれない。
これは僕のまったくの推測ですが、秀吉は乾坤一擲、兵士たちにここで明智光秀を倒せば一気に未来が変わる、お金も土地も手に入る、女の子にもモテる、さぁ行こうぜ!と目的を明確にしてゴールに向かわせたんだと思います。

もちろんそれに加えて、京都に戻るときには自分の領地を通りますから、食料や寝る場所などの兵站をしっかりと整えていったのは確実だと思います。
そうは言っても、ディズニーランドまで歩いて、何人の下田の人が辿りつけますかね?
僕は辿りつけるとは思いますが、ディズニーランドで遊ぶ自信がありません。

こういう風に、リアルに置き換えて色々考えることを主眼に置いて、このコラムを書いていきたいと思いますので、お時間があるときにさらりと読んでいただき、何かのスパイスにしていただけたら嬉しいです。

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