今年は「秋」と言っても暖かい日が多く、温暖な気候の下田でもやっと葉が色付き始めました。気象学上では11月も秋と言うらしいのですが、東北の方では初雪も観測され一気に冬がやって来そうな気がします。
私の秋は食欲だけで終わってしまいそうなので、最後に芸術も加えて数年ぶりに陶芸教室へ行って来ました。
伊豆は窯元が多く、多くの陶芸家が南伊豆の人里を少し離れた静かな場所で作品を作る中、下田の町中から程近い距離に「耕心窯(こうしんがま)」と言う工房が在ります。ここでは旅の思い出づくりの一つとして気軽に体験入学も楽しめる場所です。
一輪挿しにチャレンジしました
陶芸家の先生は私の学生時代の恩師。引退して元々趣味でもあった陶芸を工房として奥さんと二人で始めたのですが本当にアットホームで良い雰囲気なんです。
その日はたまたま他に生徒さんがいなかった事もあり、始める前にお茶とお茶菓子が出てきてちょっとお喋り。。。
30分後、「さて始めますかっ」て感じで始まりました。
陶芸の手法にはいくつか種類があり、一般的にイメージするのが回転する台の上で粘土を両手で形成する「ロクロ」だと思うのですが、これって簡単そうに見えて意外と難しんです。中心が合わなかったり回転が速いとグニャっと崩れちゃったり。。
だからと言う訳では無いのですが、今回は今までチャレンジした事のない「タタラ」と言う手法で一輪挿しを作ってみました。
ロクロを使わない「タタラ」という作りかた
これは、粘土の塊を均等な厚さの板で挟み、針金でスライスして粘土の板を作り、それを元にお皿を作ったりします。沢山作りたい時はこの方法が一番良いような気がします。
私は四角い一輪挿しを作ろうと思ったので、工作みたいに粘土の板を四枚と底面一枚を作り張り合わせていきます。
繋ぎ目をしっかりつけないと乾いた時に剥がれて一輪挿しとしての役目を無くしてしまうのでここは慎重に張り合わせていきます。三つ目の一輪挿しの形成が終わった所で、ぷ~んと何処からか良い匂いがしてきます。見るといつの間にかストーブの上にアルミホイルに包まれた焼き芋が静かに良い香りを発していました。
形成が終わったら模様を付ける作業に入るのですが、もちろん付けても付けなくても構いません。でも何かしたくて穴を空けてみたら頭の中でイメージしたものとはかけ離れてしまいましたが、これも芸術だと勝手に納得して良しとしました。
模様付が終わっったら最後に釉薬と言う液体で色付けをして、これで自分が出来る作業は終わりになります。この釉薬掛けは「失敗したからやり直し」と言う訳には行かず、掛け方で作品のイメージがとても左右される緊張の一瞬です。そんな緊張の中、先程から良い匂いを発していた焼き芋が突然目の前に現れ私の緊張は一気にほぐれました。ここでちょっと休憩~。
作品を焼く前にサツマイモを焼いてチョッといっぷく
余談ですが、焼き芋をストーブで美味しく焼くには薩摩芋を濡れた新聞紙で包んでからアルミホイルで包んで焼くと美味しく出来るそうです。たしかに香ばしくて甘くとても美味しかったです。これからの季節、家にストーブが有る方は是非試してみてください。
緊張がほぐれた所でいよいよ釉薬掛けです。左手で作品を逆さに持ち手首を回転させながら一気に右手で釉薬を全体に掛けます。
出来栄えは「ん?」って感じですが何とか釉薬掛けも終わり全ての工程は終了。
後は先生が乾燥させ窯で素焼きをし最後に本焼きをして完成となります。完成までは数日かかるのでそれまでお楽しみの時間となります。
秋も深まりこれから益々寒くなる季節、暖かい部屋の中で土を触りながら友人と会話を楽しむのも良し、集中して一人の世界に入るのも良し、色々な楽しみ方があります。
なにより、オンリーワンの作品って嬉しいですよね。
旅行の際、旅の思い出の一つとして寄り道してみてはいかがでしょうか?
耕心窯の詳細情報
〒415-0025
下田市5丁目2-43
TEL:0558-23-1867
FAX:0558-23-1867
営業時間:9:30~17:00
定休日: 特定なし
MAIL:orido.k@mountain.ocn.ne.jp
URL:http://www7.ocn.ne.jp/~koshin/
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