九月の終盤に口開けを向かえ、ここ下田では伊勢海老の刺し網漁が盛んです。
そしてこの時期伊勢エビの刺網漁の嬉しい外道(副産物)としてカニ、サザエ、小魚が掛かります。
(この辺ではおおまかに渡り蟹と呼んでいますが今回の蟹は正式には渡り蟹によく似ている台湾ガザミの雄です)
漁師さんにとっては網の修理が大変になるので嫌われる渡り蟹ですが、本命の伊勢海老にも負けない
美味さなんです。正に棚からボタ餅!エビよりカニ好きなうちの嫁さんにとってはありがたい最高の食材です。
つい先日、そろそろエビ網漁(刺し網漁)が始まったからあの美味しい蟹が食べられるね、と話してた所に
タイミング良く漁師さんから頂きました。
嫁さんに見せたら、もう嬉しいって感じが伝わる極上の笑顔を見せてくれました。
茹でるより蒸すがお勧め
早速、生きたまま蟹を蒸し上げます。
蟹は茹でるよりも蒸すに限ります。
なぜかと言うと、蒸した方が蟹の味が逃げてしまわないからなんです。
もちろん塩茹でという調理法もありますが、これはまさに塩の塩梅が難しい。
浸透圧の関係で塩の量を上手く調節できればいいのですが、ボイルのタラバ、ズワイに当たりハズレが
多いのもこの塩加減の難しさを物語っています。
ともあれ生きたままの蟹に挟まれないよう細心の注意をはらいながら蟹をひっくり返します。
塩を腹の隙間(ふんどし)にすり込み蒸し上げること約10分。
あんなに青かった色が真っ赤に変わり食欲を掻き立てるいい匂いが調理場を埋めつくしました。
後は豪快に手づかみで食べるだけです。
素材が良く塩味が丁度良かったらそのままが一番美味い。ぜひともシンプルに。
でもなかなか上手くいかないものです。そんな時はマヨネーズが合います。
さて、この渡り蟹の食べ方ですが、変わったところでは中華の豆鼓(トウチ)炒め。お隣の朝鮮ではケジャンという生の渡り蟹を使ったキムチの一種もありますね。
トマトと生クリームで渡り蟹のパスタも最高ですよ。でも日本の家庭なら味噌汁を忘れずに!
*今回は蒸しましたが、家庭では蒸し器がなく茹でる場合は必ず水から茹で始めて下さい。
沸騰したお湯の中に入れてしまうと苦しみすぎて茹で上がりの色が悪くなったり自切(自分で脚などを切り離す行為)をしてバラバラになってしまいます。
難しいですが出来るだけストレスを与えないで調理することが大事です。
渡り蟹の美味しい一皿
伊豆下田100景の中のお店で渡り蟹と言えばページワンの渡り蟹のトマトクリームパスタです!
オリーブオイルとニンニクでじっくりと蒸し焼きにされた渡り蟹にトマトソースと生クリーム。その濃厚なコクと深い味わいに一度食べるとついついまたリピートしてしまう癖になる味。
この一皿を目的に下田を訪れる人もいるとか。
パスタと雑貨 ページワン
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