白い砂浜と青い海だけではない 伊豆のジオパーク

2011年 8月 28日

白い砂浜と青い海だけではない 伊豆のジオパーク

伊豆のジオパーク(大地の公園)!

田牛 竜宮窟

田牛(とおじ) 竜宮窟

8月も下旬を迎え、早くも肌寒いと感じる日がやって来ました。暦の上ではもう秋です。今年の夏は満喫しましたか?

下田の夏は八幡神社の下田太鼓祭りキャンドルカフェなど、様々なイベントで楽しめるのはもちろんですが、やはり海が目的でいらした方は多いと思います。

私も1日だけオフの日を作って海へ行ってきました。若い頃はほんのり日焼けした小麦色なんてカッコ良かったけど、今の歳ではとても怖くて出来ません …。昔は真っ赤になって、翌日には色んな人に「海に行ったの?焼けたね」なんて言われて夏を感じていたような気がします。最近は海に行くと、若いって良いな~なんてつい感じてしまいます …。

さておき、下田の海は白い砂浜と青い海だけではなく、実は近くに面白いスポットが在る事をご存じですか?もちろん一日中、海で遊んでも飽きる事はありません。でも少し足を延ばしてみると、ちょっと違う一面の伊豆が見られたりするんです。

最近、新聞や雑誌でもよく目にするジオパークと言う言葉はご存じでしょうか?「ジオ」とはギリシャ語で「地球」や「地層」を意味する言葉なので、「自然公園」とか「大地の公園」と思っていただけたら良いと思います。と言ってもピンと来ないと思うので、簡単に説明しますね。

漂流する伊豆半島?

爪木崎

自然の表情豊かな爪木崎

伊豆半島の成り立ちをご存じでしょうか?遠い昔、伊豆半島は日本に存在しなかったのです。私たちが想像出来ないぐらい昔(約1000万年前)、この陸地は本州から遥か南へ数百キロも離れた場所の海底火山だったのです。それが噴火を繰り返し陸地となり、プレートに押され、やっと本州にくっついたのは約50万年前の事です。

そんな歴史がある伊豆半島には、日本(本州)には見られない珍しい地形や岩石、地層が数多く存在するのです。「ジオパーク」とはそんな珍しい地形、岩石、地層を新たな観光スポットとして、色んな方に見ていただきたい場所なんです。

現在「世界ジオパーク」に認定されている場所は国内では4カ所。「日本ジオパーク」の認定は14カ所と少なく、伊豆半島で認定されている場所はまだ在りませんが、現在認定を目指して頑張っているところなんです。

そこで、下田のいくつかお勧めな場所を「ジオスポット」として紹介しますね。

幻想的な空間 竜宮窟

石畳のトンネル

竜宮窟へと続く石畳のトンネル

伊豆下田100景のビーチ特集の中でも紹介されている田牛(とうじ)海水浴場の手前に、「竜宮窟」(りゅうぐうくつ)という場所が在ります

ここは人気スポットである、吉佐美大浜海岸からも近く、実は私、下田に何十年も住んでいながら初めて行きました …。

午前中に来るのが本当はベストなのですが、知らずに午後行ってしまいました …。そのせいか「竜宮窟」と書いてある看板をくぐると、その先の石の階段は薄暗くて独りで下るのはちょっと怖い感じ …。先には更に真っ暗な石畳のトンネルがあり、奥に明かりが見えます。明かりを頼りに先に抜けると、ちょとびっくりするぐらい幻想的で神秘的な世界が広がります。

この竜宮窟、波の浸食によって出来た洞窟で「海蝕洞」と言うのですが、周りは不思議な模様の高い崖でぐるっと囲まれていて、天井は開いて空が見えます。

また、外の海とつながっている穴が1カ所在り、そこからは海水と光が洞窟の中に入ってきています。崖の模様は海底火山の噴火による、火山灰の地層だそうです。

竜宮窟

神秘的な空間 竜宮窟

午前中に行くと太陽の光が差し込んで、更に幻想的な世界を作ってくれます。上部には遊歩道があり、天気の良い日には伊豆七島も眺望できるんです。

伊豆でソリ遊びが出来る!?

サンドスキー

海へ一直線!!サンドスキー

竜宮窟から歩いて直ぐの場所には、砂が風で吹き付けられて出来た、天然の砂のスキー場(サンドスキー場)があります。

傾斜は30度。上までの距離は70mだと最近知ったのですが、ここは小学生の頃、遠足でも訪れていて、子供の足では上まで登るのは結構大変だった気がします。しかも風の強い日は、下でお弁当を広げると砂だらけになって、悲惨な状態になった事が今では良い思い出になってたりします。近くの民宿等でソリの貸し出しもしているので、たまには童心に返って滑ってみるのも楽しいと思います。

白い灯台の爪木崎で地球の息吹を感じる

爪木崎の灯台

爪木崎の灯台

次に向かったのは、田牛から東へ車で20分程走ったところにある須崎半島。ここには爪木海水浴場爪木崎灯台があります。

爪木崎は水仙の自然群生地で、1月には300万本の水仙が満開となり、12月の下旬から水仙祭も開催される場所です。

その灯台の西側に柱状節理(ちゅうじょうせつり)と言う県指定天然記念物があり、これは約500万年前、伊豆半島がまだ南沖にあった頃、安山岩質溶岩(マグマ)が地下に入り込んで柱状に冷え固まって出来たもので、一辺が30cmの五角形の石の柱が規則正しく束になて岩を作っていて、とても自然に出来たとは思えないぐらいです。

すみません、写真が用意出来なかったのでイメージしづらいと思いますが…。江戸時代には「俵石」とも呼ばれ建設材料として利用されていた事もあるそうです。

こうして大地が創り出した自然の建造物を見ていると、地球が生きている事を感じます。地球に生かされている私達は、謙虚な気持ちを持たないといけないと感じて来るのは私だけでしょうか?海に遊びに行ったついでにでも「ジオスポット」を訪れると、地球を改めて近くに感じる事が出来ます。

この記事を書いた人

魚介料理 なが里

国道136号沿いの和食屋です。現在、板前さんの指導のもと調理を担当。まだまだ修行の身ですが早く一人前になって新しい料理を考案出来るように頑張っています。
他にもこんな記事を書いています。

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