きんめせん昇龍の小さな漁船

2012年 4月 12日

きんめせん昇龍の小さな漁船

みなとはしから

両岸に漁船が並ぶ下田らしい風景


四月初めの或る綺麗な夕暮れ時。
下田の市街地(旧町内)へと架かる「みなとはし」を車で渡っていると、河岸端に「きんめせん昇龍」さんの親父さんを見つけました。
何やら一心不乱に作業中です。思わず車を止めて様子を見に行くと親父さんが日ごろ可愛がっている小さな漁船「宝栄丸」のお手入れの真っ最中でした。

みなとばし

海岸線から旧町内へとかかる「みなとはし」

昔は漁師として大きな船も所有していましたが今は海鮮料理屋の親父さん。
ニコニコと顔のどこかにいつでも笑顔をくっつけて穏やかに話をしてくれます。
個人的なことですがこの親父さんを見ると明治生まれの亡き祖父をお思い出すので懐かしさも手伝って思わず近づいてしまいます。

特に船で出かけたふうでもないので聞いてみると、今日のようなカラッとして気持ちの良い風がふいている日には船室の窓を開け漁具を水で洗い塩抜きするのだそうです。

宝栄丸

親父さんの相棒「宝栄丸」

今では漁師から足を洗い(半分?)陸の人間になった昇龍の親父さんですが、陸の上が落ち着かないのか海の上の稼業が忘れられずにこうやって一艘は手元に残して気が向くと一人海に向かいます。

「なにさぁ、年寄りの時間つぶしの道楽さぁ・・・」

親父さんは道楽と言うけれど、この船で釣ってきた新鮮な魚は親父さんのお店昇龍で料理されお客さんに好評です。
時には大島辺りまで出かけてマグロを釣り上げることもあるとか。。

金目船操舵桿

昇龍の店内に置かれた金目船操舵桿


愛おしそうに宝栄丸の手入れをする親父さん。
この船に注ぐ昇龍の親父さんの愛情が手に取るように伝わってきます。

何だか自分が給料を貯めて初めて買った車のときみたいだ!と失礼ながら思ってしまいました。
小さなおんぼろの古い車でしたがその狭い車内が自分のお気に入りの親密な場所でした。。

昇龍の親父さんにとってはこの小さな漁船と海の上がそんな場所なのかもしれません。
きんめせん昇龍の店内のそこかしこに置かれた船のランプや操舵桿・・もそんな気持ちの表れかも。

きんめせん昇龍

この記事を書いた人

焼家 さわち

海辺の小さな田舎町。 美味しい料理、心暖まる風景を紹介します。 職場は駅近くの焼家(焼肉)。
他にもこんな記事を書いています。

コメントする