いず松陰で大満足の金目釜飯

2012年 2月 11日

いず松陰で大満足の金目釜飯

松陰金目釜飯

金目釜飯とお刺身でお食事 1570円

下田が誇る金目鯛。その調理法が試行錯誤される中で魚料理の松陰さんから自慢の金目釜飯が出来たと連絡をもらい行ってきました! さて、いず松陰さんは街中にありながら喧騒から一歩離れたしっとりとした雰囲気のお店です。 場所は大川端という漁船が沢山佇む通りから一本入ったところ。街のほぼ中心に位置しながら地元民でもハッキリと道順を説明できない様な場所にひっそりと佇んでいます。

暖簾をくぐりながらなかなか値段も高級なお店なのでは・・?と不安に思うかもしれませんが今回頂いた「金目釜飯とお刺身でお食事」はなんと1570円です! 刺し盛りが付いて1570円?ハハ~ンッ、よっぽど内容が乏しいんじゃないの?なんて思った人、間違いですよ~。

目の前でコトコト木蓋が踊る・・待つ時間が楽しい23分

待つのが楽しい23分間

待つのが楽しい23分間

今回通されたのは個室。仲居さんが甲斐甲斐しくお膳の仕度をしてくれます。

仲居のおばさん曰く釜の載った五徳の中の固形燃料に着火してからキッカリ18分で火が消えてその後5分の蒸らしですからね、早まって蓋を開けてはいけませんよ!と固く釘を刺されます。

なんだい?その中途半端な18分って?固形燃料だってそれぞれ個性があるわさ!と意地悪く仲居さんが着火した時にコソリと携帯電話で時間を確認。

火をつけてから少し経つとコトコト木蓋の隙間から蒸気が漏れ出します。これがとても良い香り。蓋を開けて中がどうなっているのか覗き見したい。中には火が消えた時点で待ちきれなく蒸らす行程を跳び越えて蓋を開けて食べ始める困ったさんもいるとか。 でもこれをやると出来上がりに違いが出てきます。オトナならじっと我慢の23分。 と、その前に約束の18分。仲居さんの断言通りしっかりと火は消えました。

空白の23分?

刺し盛り

釜飯以外にも!

だけど23分をお預け状態の犬のようにチーンと黙って待つ必要はないんです。 特にこの様なぽっかり空いた空白の時間は還暦近くの会話の無い夫婦には地獄の23分になってしまう。 でも大丈夫。この定食には刺し盛りと小鉢が付いてきます。正に助け舟。ここは一つゆっくり腰を落ち着けてお酒でも頂きながら新鮮な魚介に舌鼓を打とうではないですか。奥さんも、あらっこのヒジキ美味しく煮えてるわ、なんて。

今日の盛り合わせはトンボマグロ・ハマチ・ブダイ・タイなど四種がたっぷり盛り込まれています。輪切りのレモンが添えられて白身の魚に一層の爽やかさをプラスしています。これは刺身定食としても十分な量です。 小鉢には自家製のイカの塩辛やヒジキにお漬物。塩辛は日本酒が進みそうな濃厚な出来上がり。 約束の23分が経つと仲居さんが現れて食べてヨロシイとのお達しをくれます。厨房でしっかりタイマーで計ってくれているので安心。

とにかくボリュームが凄い!

ボリューム最高の釜飯

ボリューム最高の釜飯

待ちに待った釜飯です。 禁断の木蓋を開けてびっくり! あれれっ、スゴイ量だ!店主(若旦那!)に撮影用に量を多めにしたんじゃないんですか?と聞くと、お昼の定食だからしっかりお腹一杯になって欲しいとの気持ちからお米の量は210gと決めたそうです。1合が150gだから約1.5合です。

炊き上がると木蓋を持ち上げそうな勢い!嬉しいではないですか!若旦那が若くてエカッた。

 釜飯は日本の縮図

金目釜飯

金目釜飯

木蓋を開けるとモワッと湯気でメガネが曇る!(メガネはしていないけど、あくまでも比喩)

意地悪でイヤラシイ試験官のように箸で中身を突ついて点検すると人参・竹の子・椎茸・レンコンが主役の周りで地味に円陣を組んでいる。 オオ・・よしよし、良いんだよ、君たちは脇役なのだからそれ以上目立ってはイケナイよ。でもだからってスネちゃイカン!君たちが居なけりゃ釜飯じゃ無い! 今回の主役は金目鯛だけど所変われば主役も変わる。でも君たちは何処でもスタメンだ!首相がコロコロ変わる何処かの国の官僚みたいなもんだ。優秀な官僚がいるからコロコロが出来る。 そして総理大臣役の堂々たる金目の切り身が2つ鎮座しています。んんん・・ずいぶん思い切りの良い厚くて大きな切身。これは大統領級!。その金目の皮目の赤が鮮やかなこと。 思わずかき混ぜる前に大ぶりの切り身をガブリ!濃い目の出汁に煮込まれ蒸されてふっくらと柔らか。

金目釜飯食べながら心はイスタンブール

混ぜる

金目の身をほぐしながらサックリと混ぜる

ここで金目だけを食べきってしまったらイケナイ。 金目の身をほぐしながらしっかり釜の中をかき混ぜます。底のほうに良い具合のオコゲもできていました。

なんだかんだで30分弱待たされた恨みをぶつけるように釜飯を掻きこみます・・・うまい! しっかり味がついているけど優しい味わい。釜飯も炊き込みご飯の一派。でも家で作るのとはどこか決定的に違う。

一般家庭の電気炊飯ではこの独特のご飯の硬さとオコゲ加減は味わえない。「味に飽きたらこれもかけてみて」と若旦那から渡された大根葉(塩で揉んである)を飽きていないけど乗せて食べてみる・・青い香りがこれまたうまい!鯛の刺身も乗っけて・・うまい!渡り蟹の味噌汁も啜って・・・うまい!

おこげ

おこげも最高

なんだか贅沢だ~。まるで昔イスタンブールのスルタンが美女を選り集めてはべらせたハーレムの釜飯版だな~。なんてロマンチックに遠い目をしつつお腹は一杯になりました。スルタン気分を味わいにまた来よう!と心に誓ったのでありました。

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この記事を書いた人

焼家 さわち

海辺の小さな田舎町。 美味しい料理、心暖まる風景を紹介します。 職場は駅近くの焼家(焼肉)。
他にもこんな記事を書いています。

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