金目鯛にも負けない「黒ムツ」

2011年 12月 2日

金目鯛にも負けない「黒ムツ」
ムツと金目鯛

黒ムツと金目鯛

下田に揚る魚の中で地物の金目鯛にも負けない脂の乗った美味しい魚といったら?
きっと多くの下田の料理人が挙げるのが「黒ムツ」ではないかと思います。

黒むつは金目鯛と同じように深海に生息していて水圧から身を守るため脂肪をタップリ蓄えているので一年中美味しく食べることができる魚です。水深はおよそ300~400mで金目鯛よりはやや浅い所にいるそうです。漁獲量は多くなく美味しい魚なので下田で水揚げされる魚では高級魚の部類に入ります。

時代によって評価が分かれる魚

ムツの塩焼き

ムツの塩焼き

ムツという語源は四国地方の方言の「むっこい」に由来すると言われています。これは味が濃いとか脂っこいという意味だそうです。

現在ではマグロのトロの部位のように脂をことのほか高く評価していますが昔は旨味が評価の基準で脂はマイナス材料だったようです。こんなに旨いのに本当にもったいない話ですね。

12月頃から2月のムツは寒ムツと呼ばれ最も旨い季節です。また黒むつはその名のとおり黒光りしていて脂ものっていてめちゃくちゃ旨い魚です。
個人的にはシマアジと1位、2位を争うぐらい大好きな魚でお刺身はもちろん、さっと炙ってたたきにしてみたり、焼いても煮ても揚げても美味しく頭は豪快に兜焼きにしポン酢を掛けて食べると最高!特に頬肉、カマ、目玉のまわりのコラーゲンタップリのゼラチンは子供たちで取り合いになるくらいです。アラは煮て食べるか味噌汁にするかいつも迷うぐらい旨い。また皆さんもよく知っている焼きシャケの皮美味しいですよねぇ、この魚も同様で皮と身の間に脂がギッシリ詰まっているので漁師さんいわく皮が旨いと教えてもらいました。

ムツのおろし方のポイント

黒ムツ

身が柔らかいので丁寧におろします

黒むつをおろす時に気を付けてもらいたいのは身が柔らかいので雑に扱うと綺麗におろせません。
歯が鋭く尖っているので怪我をしないよう気を付けてもらいたいこと、甘鯛と同じように逆さ鱗が有るので取り忘れないことです。
また春先に雄の黒むつには丸々太った白子が入っています。しかしなかなか雄に巡り会うことが出来ず。漁師さんに頼んでもめったに入荷しません。今年は食べれなかったなぁ・・・でも卵はだいたい入っており煮付けにすると格別ですよ。

下田に来たら金目鯛と黒ムツの食べ比べ!なんてのもいいですねー。贅沢!

この記事を書いた人

上の山亭 増田

地の食材にこだわり日々奔走している毎日です。その年によって魚や野菜の当たり年、裏年がありますが、できるだけリーズナブルに提供できるよう勤めています。ブログでは、レシピの他に下田の穴場のお店や景色を紹介したり、下田の風習なども取り上げていきたいです。
他にもこんな記事を書いています。

コメント一覧

  1. 黒ムツ卵煮付けで是非食べたいです。身は寿司や煮付け食べた事ありますが、素晴らしい美味しさでした。2月に下田に遊びに行きたいと思ってます。

コメントする