下田には関西から移り住んできた、野人と名乗る人がいます。
下田の暮らしを楽しみたくて一眼レフを買ったそう。
彼は「なんで下田は長年いても飽きへんのやろ?
そんな町、そうはないと思うで」としきりに言うのです。
「下田は海しかないなんてちゃうやろ」と。
「この町の良さを見せてあげたいと思うんや」と。
ならば彼の目に映る下田を紹介してもらおう、ということになりました。
気がつきそびれてるものに、光を当てて。
懐中電灯役のカメラと一緒に、下田を探し歩きます。
#024
午前中のわずかな時間、お天道様が出てたら見れる「光る穴」があるらしい。
教えてくれた友人は、自分だけ知ってることのような、どこか自慢げに話す。
なんやそれ?と思いつつ、聞く。
今日はよー晴れたし、いっちょ探しに行ってみるか、と南伊豆方面に向かった。
どこや、どこや・・・
国道136号線、多々戸の交差点を少し過ぎたところ。
この辺だと聞いたな〜と走っていると目の端で穴発見!
これか・・?と原チャリを道路脇に停めた。
よ―見ると、キラキラと光が揺らめいてるやないかー
穴ん中になんかあるんか?とそばに寄って見ると、中に水が溜まっとる!
そうか、この反射光が穴ん中を照らしてたんかー
この角度で光が差し込まなあかんということは、見れる時間も短そうや。
んん? なんかこんなんイタリアで見たなー
たしかソレント半島の洞窟やった。
天井が覆われた下田の龍宮窟みたいな洞窟で小舟に乗り、おっちゃんが案内してくれたなー
洞窟の隙間から入る光が海面に反射して、天井で光が踊っとったわ!
うん、確か、おっちゃんが ”Oh!Miracolo!” (「おー!奇跡だ!」)って、
大げさなジェスチャーで叫んどったわい!
あの時の輝きがこんなところに!
「おーっ、下田の奇跡!」
ここは臭いくらいに大げさに言うたろ!(笑)
規模はコンパクトやけど、条件が揃わないと見れへんのは確かや!
見れた日は茶柱立つより嬉しい気がしまっせ〜(笑)
2023-01-29