下田には関西から移り住んできた、野人と名乗る人がいます。
下田の暮らしを楽しみたくて一眼レフを買ったそう。
彼は「なんで下田は長年いても飽きへんのやろ?
そんな町、そうはないと思うで」としきりに言うのです。
「下田は海しかないなんてちゃうやろ」と。
「この町の良さを見せてあげたいと思うんや」と。
ならば彼の目に映る下田を紹介してもらおう、ということになりました。
気がつきそびれてるものに、光を当てて。
懐中電灯役のカメラと一緒に、下田を探し歩きます。
#027
今朝は、満月や!
生活のルーティーンになっとる爪木崎に撮影に行く途中、柿崎腰越のヨットハーバーの桟橋でしばしお月見。
「おはようございます!」
「兵助丸」の船長と挨拶を交わす。
「今からですか?」
「はい」と爽やかな声で答える船長。
今時期は朝6時ごろやけど夏場は5時ごろ出港だそう。
桟橋から少し離してある船を迎えにボートを漕ぐ。
誰も気づかないような、夜明け前の真っ暗な海を一年中や。
そんな船長に今朝は月がライトを当ててはる。
「兵助丸」は、釣り客を乗せて漁場で釣りを楽しむ遊漁船。
下田にある船は、漁師さんが乗る漁船のほかに、釣り客を小島や岩場に降ろす渡し船、そして遊漁船の3種類がある。
遊漁船と渡し船を見分けるには、船先のタイヤが目印や!
これが付いてるのは渡し船で、このタイヤを岩場につける時のクッションにして釣り客を岩場に降ろすようにできとる。
渡し船のシンボルみたいなもんやで~
「一番推してる獲物は何?」とズバリ聞いてみると
「真鯛です!釣るのは難しいですけど、オモシロいです!」と一段と大きな返事!
春先は真鯛、夏場はモロコが特に釣れるそうや!
海面に映る灯りを抱えこんだ下田湾の夜景は奇麗やなー
満月が大漁を願うように輝いてるなか「兵助丸」は夜景に溶け込んで行った。
船長は、兵助丸の船長として2代目やそう。
船宿も経営してはるから泊りがけで釣りが楽しめるちゅうわけや!
釣りバカ日誌のハマちゃんみたいなお客さんを想像するけど、釣り好きの女性客も増えとるらしいでー
(「船宿 兵助屋」へのお問い合わせは、船長 鈴木俊和さん 電話:090-2619-0781まで)
2023-03-15