下田には関西から移り住んできた、野人と名乗る人がいます。
下田の暮らしを楽しみたくて一眼レフを買ったそう。
彼は「なんで下田は長年いても飽きへんのやろ?
そんな町、そうはないと思うで」としきりに言うのです。
「下田は海しかないなんてちゃうやろ」と。
「この町の良さを見せてあげたいと思うんや」と。
ならば彼の目に映る下田を紹介してもらおう、ということになりました。
気がつきそびれてるものに、光を当てて。
懐中電灯役のカメラと一緒に、下田を探し歩きます。
#005
下田には不気味な場所というのがいくつかあります。
その一つ、和歌の浦トンネル。
町から下田海中水族館へ抜ける坂道にあります。
一度真夏の夕方に下田公園を一周するウォーキングでここを抜けました。
辺りはすっかり暗くなり、車も通りません。
真夏だというのにトンネルの中の空気は冷ややか。
トンネルの向こうでイルカがショーをやってるなんて思えへん雰囲気。
突如、頭に水滴がポトッ!
「うっ、怖っ!」
そりゃ急に歩みが速くなりますわ。
なんで出口まだ遠いねん、急いどるっちゅうねん!
・・・思い出しただけで何か嫌やわ。
夕暮れ時のトンネル、肝試しに一度試してや!
2022-06-24