下田には関西から移り住んできた、野人と名乗る人がいます。
下田の暮らしを楽しみたくて一眼レフを買ったそう。
彼は「なんで下田は長年いても飽きへんのやろ?
そんな町、そうはないと思うで」としきりに言うのです。
「下田は海しかないなんてちゃうやろ」と。
「この町の良さを見せてあげたいと思うんや」と。
ならば彼の目に映る下田を紹介してもらおう、ということになりました。
気がつきそびれてるものに、光を当てて。
懐中電灯役のカメラと一緒に、下田を探し歩きます。
#012
爪木碕灯台へ行く道から、横道にそれて、柱状節理のある海岸に出てみた。
なんか知っとるような岩があるで!と近づいた。
でかいな~、3メートルはあるな!
「そや、モアイ像や!」
顔が海を見とる!
海の神様を出迎えるみたいな感じや!
モアイにも似とるし、キョンシーにも似てるなー
調べたら「プレーリードッグ岩」とも呼ばれとる!
なるほど、言えて妙やな~
この岩ひとつでこんなにもワクワクするでー
解ってくれる人は少なそうやなあ。笑
「うん?」
樹木の奥に、石切り場の跡があるやないかい!!!
そう言えば、ここらは自然資源がいっぱいあるとこやった。
まずは、この岩は青みがかってるさかい、高級石材の伊豆石「サワダ石」やな!
江戸時代には、かまどや蔵に使われたやつや!
ほんでもって、柱状節理なんかも石材に使っとったしなー
トドメなんは、この岩の奥の須崎半島では、太田道灌が江戸城の石垣に伊豆石を切りだしたとこやー
鼓動が早くなる気がするでー
・・・でも何でここがこんなにも好きなんやろ?
そうやった、縄文土器が爪木崎から出とった!
考古学をかじったもんは見逃さへんでー!
爪木崎一帯は、太古から続く自然の恵みを受けた豊かな場所。
海の幸、山の幸、縄文人が最初に住居を築いて棲みついたのも分かるわー!
綺麗な朝日も昇って写真映えスポット盛り沢山、「歴史とカメラ好きの野人」がここに惹かれるのも当然やな。
このワンダーランドは、足場が悪いよって、厚底の靴で来てな!!!
2022-09-10