下田には関西から移り住んできた、野人と名乗る人がいます。
下田の暮らしを楽しみたくて一眼レフを買ったそう。
彼は「なんで下田は長年いても飽きへんのやろ?
そんな町、そうはないと思うで」としきりに言うのです。
「下田は海しかないなんてちゃうやろ」と。
「この町の良さを見せてあげたいと思うんや」と。
ならば彼の目に映る下田を紹介してもらおう、ということになりました。
気がつきそびれてるものに、光を当てて。
懐中電灯役のカメラと一緒に、下田を探し歩きます。
#020
「え! まさかGT-R!?」
下田郵便局前の商店「芳野食品K.K」の前で立ち止まってしもた。
これ名車やで!ちょっと見せてもらおう、と店に入った。
お店の御主人、芳野さんは突然の見物客にもとても気さく。
「置くところがないから、ここに置いてる」と芳野さん。
乾物やちょっとした日用品が並ぶお店には、タバコなんかも置いていて、GT-Rが別世界のオブジェと化しとるなー
「ハコスカですか?」
「うん。外見がね。エンジンやらがみんな本物なら相当な値段するよ」
年に一度、GT-Rのオーナーが集まって伊豆半島をツーリングするそう。
でも、雨の日はこの集まりにも行きたくないらしい。
「錆びるのが嫌でね。だから、今まで一度も洗車したことないよ」
えーっ、洗ったことないんや!
そやさかいこんなに綺麗なんかー
芳野さん、大のスカイライン好きなんやなあ。
そう言えば小学生の頃、家に下宿していた大学生のお兄さんによくドライブに連れていってもろたなー
前を走るGT-Rを指さして、「これ欲しいけど、買えへん!」と言っていたのを思い出したわー
カッコええ「ハコスカ」「ケンメリ」は、当時のお兄ちゃん達の憧れやった!
昭和の香りがプンプン!!!
下田にはこんな宝物が残っとった。
店番GT-Rも野人的街遺産や!!!
ハコスカ・・・・3代目スカイライン、1970年にGT-Rとしてデビュー。
ケンメリ・・・「ケンとメリー」がこの車で旅をするCM等で爆発的人気に。1973年生産の2000GT-Rは、195台のみ市販された希少モデル。
2022-11-30