下田には関西から移り住んできた、野人と名乗る人がいます。
下田の暮らしを楽しみたくて一眼レフを買ったそう。
彼は「なんで下田は長年いても飽きへんのやろ?
そんな町、そうはないと思うで」としきりに言うのです。

「下田は海しかないなんてちゃうやろ」と。
「この町の良さを見せてあげたいと思うんや」と。

ならば彼の目に映る下田を紹介してもらおう、ということになりました。
気がつきそびれてるものに、光を当てて。
懐中電灯役のカメラと一緒に、下田を探し歩きます。

>野人さんのプロフィール

#022

どっちで髪切る?

どっちで髪切る?

「あーっ、うっとうしいなー、もー」

限界手前、散髪に行くことにした。
後回しにさせがちやな、ついつい、な。

さて、どこ行ったろ?
下田は美容院と床屋がひしめく激戦区や。
住んどる人間に対して多過ぎちゃうか?と思うけど伊豆半島のあちこちからもお客さん来るんやろな〜
同じ美容院に通わない主義の人も困らへんでー

今日は新規開拓で「理容キダ」へ。
ここは一つの建物に「理容キダ」と「すずらん美容室」の入口ふたつ。
「キダ仕上げ」と「すずらん仕上げ」を双子で比べたらおもろそうや。

キダのご主人に髪を切ってもらいながら「ここはご実家ですか?」と聞いてみた。
「いえ、借りてるんです。お隣の美容室が大家さんで。」とご主人。
かつて「理容キダ」と「すずらん美容室」はご夫婦経営だったそう。
隣は今も奥様がやられていると言うので少し話を聞いてみたくなった。

奥様は突然の訪問にも笑顔で応えてくださった。
「父と母もそれぞれ美容室と床屋だったんですよ」
この店構えは珍しいと思ったのに、なんとご両親まで!
今は男女平等が当然やけど、男の立場が上という昭和の社会の中で、店の規模感も対等なところにご主人の器を感じるな〜
床屋の奥さんとして手伝いで店を支えるんじゃなくて、夫婦それぞれが独立して仕事に向き合うなんて、かなり時代を先取りちゃうか?
カッコええわー、いつまでもここのドアは2つ開けて欲しいなー

散髪はええな。
男前にしてもらえて身も心も軽る〜してくれる。

そうそう、「理容キダ」のマッサージは効くで~!

2022-12-29

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