第24話「珈琲香る港町~下田~」

下田にきて一息入れて、珈琲でも・・・・ そんな時には心強い喫茶店が下田には多いのです。
さぁー、ドアをを開けて一歩中へ・・・。
 

「珈琲への道」

珈琲の魅力にとりつかれたのは、大学受験生の頃だった。
朝、高校へ行くのに、コーヒーを飲んでいると徹夜してても意識がはっきりしていて、これでいいのだとなってしまう。

西洋の珈琲文化に直接触れることになったのは、イタリア遊学の時だ。
毎日、起床して、銀色の小型サイホンで淹れるコーヒーは、恐らくイタリアでないと味わえない醍醐味であった。
地元っ子たちは、エスプレッソを何かにつけてよく飲む。
「バール」は彼らの生活の一部だ。
のんべいたちは、このエスプレッソに40度以上はある「グラッパ」という酒を入れて一気飲みする。
冬場には体を温めるのによくやったものである。
 

「珈琲とパイプ」

大学で卒論を書いていて、パイプと運命的な出会いをしたのは、日本の喫茶店である。
四谷にあるジャズ喫茶で、珈琲の香る中に、香ばしいタバコの香りがする。
何だろうと、あたりを見ると、ひとりの老紳士がパイプをくわえていた。
その姿があまりにもかっこよくて、写真で見ていた、渋澤龍彦や開高健のパイプ姿にあこがれていたから、直ぐにパイプを買いに走った。
パイプとコーヒーは兄弟のようなものである。
この兄弟は常習性があることだけでなく、その香りと味が人を癒すものである。
今でいう、アロマテラピーである。
 

「油画茶屋」

そんな歴史を歩んできたものだから、下田に来ても、真っ先に喫茶店を探すこととなった。
友達の勧めもあって、まず足を踏み入れたのは「油画茶屋」さんだ。
京都の町屋のような古民家。
居並ぶカメラが客を非日常の世界へ誘う。
精神的に不安定だった当初、店主の志田さんは快く僕を受け止めてくれた。
そして今や、ここの自家焙煎の珈琲を購入するまでになり、毎週末下田に来る知人と必ず1杯の珈琲を求めることが習慣化してしまった。
 

油画茶屋

油画茶屋


 

「邪宗門」

下田で老舗の喫茶店といえば、「邪宗門」さんだ。
ライターの駆け出しのころ、構想を練るのによく使っていた。
店内の暗さと居心地の良さで、時間を忘れてしまう。
骨董品、古い調度品、テーブルをほんのり照らし出すランプ・・・。
どれ一つとっても珈琲とパイプに合わないはずがないのである。
 

邪宗門

邪宗門

 

「つぼや」

老舗といえば、鍋田浜の「つばや」さんを外すわけにはゆかない。
壁を埋め尽くす、タバコ、タバコ、タバコ・・・。
下田に移住した当初、パイプタバコの購入に悩んでいたころ、表の看板で、ここならタバコがあると、ピーンときた。それ以来、ここがタバコの仕入れ先となった。
珈琲は濃い目で、遠方からこの味目当てで訪れる人も多い。
エルメス、というギリシャ系イギリス人の青年が、ヴェスパで、わざわざこの一杯のためにだけ東京からやってきて、数時間此処でおしゃべりしてまた帰った行くのである。
 

つぼや

つぼや

 

「可否館」

珈琲とパイプ、それにお店の人との出会いは、店の造りとともに、僕を店に惹きつけるパワーとなっている。
下田っ子、移住者、旅行者が家庭的な魅力で惹きつけられるのは、「可否館」である。
店のママ、キーちゃんと愛称で呼ばれる人は、花のことなら何でも知っている才女だけれど、客には親身に接してくれる。
 

可否館

可否館


 

「一杯のコーヒーが下田の魅力」

どこの店も僕にとっては珈琲の聖地だけど、こんなお店がまだ挙げていない店を含め、下田には多いのである。

何故、珈琲なのか?
それは、ひとの居場所を快く提供してくれるのには必ず必要なアイテムなのである。

人は、一杯の珈琲で自分の居場所を手に入れることができる。

人は、一杯の珈琲でひとと出会える。

人は、一杯の珈琲で立ち直る勇気をもらえる。

だから、もう一杯。
いかがですか、珈琲・・・。

コメント一覧

  1. 水だしコーヒーセット欲しいなぁ

  2. 中村 由実子

    この界隈にある喫茶店 アイリス 竹 田 カミニートの紹介もお願いしまーす。

  3. 中島君、コメントありがとうございます。下田の喫茶店でもサイフォン式、ドリップ式と色んな淹れ方をするところもあり、店主のこだわりが分かって面白いです。一度、下田にお越しいただいて、その目と鼻と舌で確認してみてください。待ってます。

  4. 中村由実子さん、コメントありがとうございます。また機会を改めまして記事を作りたいと思います。

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岩崎 努

京都出身、2013年に念願の下田移住を果たす。
普段は小学生の子供たちの宿題をみる野人塾の傍ら興味の尽きない歴史分野、下田の歴史を調査中。
周りからは「野人」と呼ばれている。
酒好き、読書好き、ジャズを中心に音楽をこよなく愛す。